関節構造!定義から種類まで徹底解説!

皆さんこんにちは、たたらです。

新しいシリーズとして解剖学や運動学の知識をまとめていくことにしました。

このシリーズは以下のような方におすすめです。

  • これから医療関係者の資格をとるため勉強する人
  • 解剖学・運動学の基本を思い出したい人
  • トレーニングの効率を上げたい人
  • 怪我のリスクを下げたい人

自分の身体を知ることは怪我の防止にも健康にも役立ちますからね。まずは関節の定義からおさらいしていきましょう。



関節とは

関節とは、「2つかそれ以上の骨の連結または中心点」です。重力や筋活動による力を伝達し、分散させる役割があります。

たたら

関節にはいくつか種類があるよ!

関節を分類ごとにまとめてみよう!

解剖学的機構

不動関節

不動関節とは、骨どうしが密に合わさっていて動かない関節のことです。不動関節は3種類に分類されます。

1. 線維性連結

密接結合組織によって互いの骨が結合しているもの。縫合(線維性結合+骨のかみあい)と釘植(線維性結合+歯の歯槽への差し込み)があります。

2. 軟骨性連結

柔軟性のある線維軟骨であり、硝子軟骨によって形成される骨の接合で、しばしばコラーゲンがミックスされているもの。軟骨結合(軟骨板が介在)が当てはまります。

3. 骨性結合

成長と共に2つの骨は互いに癒合し、その境界は消滅して骨結合となります。骨結合とは、結合が癒合して硬い骨に変化することを言います。

半関節

半関節とは、ほとんど動かない関節で、骨は膠原線維あるいは軟骨で結合されています。隣接する骨は不動関節よりも離れていることが特徴です。

1. 線維性連結

靱帯結合(2本の骨が靭帯によって結合されている)がみられ、脛腓靭帯結合などが当てはまります。

2. 軟骨性連結

線維軟骨結合(線維軟骨によって結合されている)がみられ、恥骨結合、椎間関節などが当てはまります。

可動関節

滑膜性連結で、広範囲に動くことができる関節です。関節腔に滑液を所有し満たされているため、『滑膜性関節』とも呼ばれています。

滑膜性関節

1. 平面関節(Plane joint)

平坦か、わずかに湾曲した関節面をもっています。2つの面のペアであり、互いの関節面が滑動するものの、動きは極めて少ないことが特徴です。関節周囲の靭帯があるため、回転運動は出来ないか、ごくわずかにしか出来ません。胸鎖関節、手根間関節、足根間関節、椎間関節などが当てはまります。

2. 蝶番関節(Hinge joint)

同一平面上で角運動をなす関節で、1軸性です。軸性とはいくつの平面上を動くことができるかということです。蝶番関節は屈伸のみ可能です。腕尺関節、指節関節などが当てはまります。

3. 車軸関節(Pivot joint)

回転運動だけができる関節です。こちらも1軸性の関節です。近位橈尺関節、環軸関節などが当てはまります。

4. 楕円関節(Ellipsoid joint)

関節面が楕円形の凸面と凹面をなすもので、長軸と短軸を通る2つの面で、角運動が起こる2軸性の関節です。屈曲・伸展・外転・内転が可能です。橈骨手根関節が当てはまります。

5. 鞍関節(Saddle joint)

1つが凸面、もう1つが凹面の2つの面を持ちます。馬の鞍のような形状をしているのが特徴です。可動性に富み、回転はしませんが、広範囲な角運動が可能で2軸性の関節です。CMC(手根中手)関節が当てはまります。

6. 球関節(Ball-and-socket joint)

球状凸面とカップのようなソケットをもちます。3軸性の関節であり、脱臼せずに回旋することが可能です。肩関節、股関節の2つのみ当てはまります。

7. 顆状関節(Condyloid joint)

球関節に似ていますが凹側がとても浅い関節になっています。膝関節、顎関節、後頭環椎関節などが当てはまります。

おわりに

今回は関節の基本構造だけを紹介していきました。次回は関節運動についてお話していきたいと思います。

今回もお付き合いありがとうございました。

参考文献

Donald A. Neumann, カラー版 筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版, 医歯薬出版株式会社, 2010.

F.H. Martini et al., カラー人体解剖学 構造と機能: ミクロからマクロまで, 西村書店, 2016.

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