【関節運動】凹凸の法則について!【関節の動き方】

皆さんこんにちは、たたらです。

今日も元気に勉強していきましょう。今回のお題はConvex & Concave rule(凹凸の法則)についてです。はりきっていきましょう!!



Convex & Concave rule(凹凸の法則)

関節が凸面である関節頭と凹面である関節窩によって形成されています。関節面の運動と骨運動との間には一定の関係があり、Convex & Concave rule(凹凸の法則)と呼ばれるものがあります。これは、骨運動が起こる側の関節面が凹か凸で、凹の法則凸の法則に別れています。

Concave rule(凹の法則)

凸側の関節面を固定し、凹側の関節面が運動する場合、関節面は骨の運動と同じ方向に滑ります。骨運動が起こると共に同じ方向へ滑り運動が起こることで関節面は適合性を保ったまま運動することができます。仮に、「滑り運動」が起きなかったらどうなるでしょうか?正解は関節の1点に負担が集中して関節面の適合性が悪くなります。こうなると関節同士がぶつかり合うようになり損傷につながります

Convex rule(凸の法則)

凹側の関節面を固定し、凸側の関節面が運動する場合、関節面は骨の運動と反対方向に滑ります。骨運動が起こる方向に対して、滑りは反対方向に起こります。これにより、関節の位置はズレずに適合性を保ったまま運動できます。仮に、「滑り運動」が起きない場合では骨頭の位置が移動することで関節窩から飛び出そうとする動きになってしまします。そして、関節同士がぶつかり合うようになり、関節損傷に至ります。

つまり、Convex & Concave rule(凹凸の法則)は関節運動の際に負担が1点に集中して関節が損傷しないようにするための仕組みになります。ただし、全ての関節がこのように動いているわけではないという意見もあります。

Conjunct Rotation

Conjunct RotationはAdjunct Rotationの構体(肢位)に達するために必要な簡単な角度変化。すなわち、屈曲、外転、伸展などの直接的な動きの連続的な合成で自動的におこる回旋現象のことです。膝のロッキングメカニズム、肩の挙上時の外旋などが例に挙げられます。

ex. 膝のロッキングメカニズムについて

完全伸展位の膝のロッキングには、Screw Home Movementと呼ばれる約10°の外旋が必要です。膝関節の最終伸展30°ぐらいからの範囲で認められます。Screw Home Movementを誘発する因子としては、①大腿骨の外・内側顆の形状の違い②前十字靭帯の伸展時の緊張③大腿四頭筋の働く方向が外旋方向であることなどが挙げられます。

ex. 肩の挙上時の外旋について

上肢を運動開始肢位(0°)で手掌を体幹側にむけ、肩関節を外転90°させると、手掌は下を向きます。この状態で水平内転90°させると肩関節が屈曲90°位にきます。この時も手掌は下を向いています。そして、運動開始肢位(0°)に戻すと手掌は後方を向きます。

運動開始肢位(0°)から直接肩関節屈曲90°すると、手掌はそのまま体幹に向いています。

つまり、外転を行うと自然と上腕骨長軸に対して回旋が加わっていることが分かります。これをConjunct Rotation(連合回旋)と呼びます。ちなみに、Conjunct Rotationは、運動自由度2度以上で2つの回転軸をもつ関節において、連続して行われる運動の際に限って生じます。

 

Adjunct Rotation

Adjunct Rotationは、自分で引き起こせる回旋運動のこと。つまり、一般的に考える「軸回旋」のことです。上記の「肩の挙上時の外旋」について考えると上腕の外旋を打ち消すような内旋の動きを指します。勝手に向きが変わらないように随意的に回旋を入れるのがAdjunct Rotationに当てはまっているということですね。

今回は凹凸の法則、Conjunct Rotation、Adjunct Rotationについて解説しました。

次回もお付き合いよろしくお願いします!

参考文献

Donald A. Neumann, カラー版 筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版, 医歯薬出版株式会社, 2010.

F.H. Martini et al., カラー人体解剖学 構造と機能: ミクロからマクロまで, 西村書店, 2016.

矢崎潔, 手の関節の動き・運動の理解, メディカルプレス, 2006, p73.74.

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