皆さんこんにちは、たたらです。
鋼の錬金術師第5話「錬金術師の苦悩」
ハガレン屈指の胸糞展開がある回ですね。
かの有名な「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」というセリフも登場します!
ネタバレ要素も少し含みますので苦手な方はブラウザバックをお願いします。
自分と重なるニーナの姿
元の身体に戻るヒントを得るため綴命の錬金術師ショウ·タッカーを尋ねたエドたち。
その際に出会ったのがタッカーの娘ニーナです。
2年前に母親が居なくなり、父親と飼い犬のアレキサンダーと2人1匹で過ごしていたニーナ。
「最近はお父さんが研究で忙しいからさみしい。」とこぼした姿を見て、思うところがあったエドとアルがニーナと遊んであげる姿はグッと来るものがありますね。
幼い頃に母親と死別した2人はニーナを自分と重ねていたのでしょう。
最後に人の姿で見たニーナのにぱっとした無邪気な笑顔が胸に刺さります。
【引用:鋼の錬金術師 第5話「錬金術師の苦悩」】
別日に再びタッカー邸を訪れたエドとアルが見たのは変わり果てたニーナの姿でした。
目の前のキメラの正体がニーナとアレキサンダーだと気付いた瞬間のエドのこの表情には言葉にできない鬼気迫るものを感じます。
命をもてあそんだ錬金術師
ニーナとアレキサンダーをキメラにしたタッカーに対して、エドは「人の命をもてあそぶような真似をして許されると思っているのか?」と問い詰めます。
「人の命⁉︎ はは‼︎そう人の命ね! 鋼の錬金術師‼︎ 君のその手と弟‼︎ 」
「それも君が言う“人の命をもてあそんだ結果だろう⁉︎”」
しかし、タッカーに自分とエドは同じだと言われてしまいます。
【引用:鋼の錬金術師 第5話「錬金術師の苦悩」】
「ちがう!」「ちがう!」と否定しながらタッカーを殴りつけるエドの表情からは、錬金術師はそんなものではないという否定よりもそんなものであってほしくないという願望が感じられます。
ただ大好きだった母ともう一度会いたいという純粋な思いから禁忌を犯した2人。
後悔しているからこそエドは認められず、心が揺さぶられたのでしょう。
エドの心からの叫び
「人間なんだよ たった一人の女の子さえ助けてやれない ちっぽけな人間だ………!!」
事件解決後、落ち込むエドとアルの元にマスタング大佐が訪れます。
理論的には正しい、しかし厳しい言葉をエドにかけるマスタング大佐。
彼なりにエドのことを慮った故の言葉ですが、「これしき」という単語に声を荒げるエド。
【引用:鋼の錬金術師 第5話「錬金術師の苦悩」】
どんな力が使えようが権力があろうが1人の人間が出来ることには限界があるという現実。
過去に禁忌を犯した自分たちからまるで成長できていないという苦悩。
『鋼の錬金術師』は初めて読んだ時、そのタイトルから錬金術でどっかんどっかん戦うイメージで読み始めた漫画でした。
しかし、第5話という序盤でエドが「自分が信じる錬金術とは何なのか?」という壁にぶつかり真剣に悩むことで、錬金術自体の在り方について考えさせられます。
昨今の事件やSNSの問題を見ていると、自分の持っている力との付き合い方を考えることは非常に重要だと思います。
「人間なんだよ たった一人の女の子さえ助けてやれない ちっぽけな人間だ………!!」
錬金術師とは?錬金術との向き合い方を考えさせられる回でした。
現実の世界でも、自分の持っている力との向き合い方を考える必要がありますね。