情報漏洩の確認方法と、漏れたときにやること|個人ができる対策を順番に解説【2026年】
「また情報漏えいのニュース」。2026年の秋は、そう感じる日が続いています。タイムズカー、ソースネクスト、バーガーキングの公式アプリ、ふるさとチョイスと、名前を聞いたことのあるサービスで情報漏洩(漏えい)やそのおそれの発表が相次ぎ、10月にはデジタル大臣や警察庁、個人情報保護委員会など、国の8つの機関がそろって注意を呼びかけました。
ニュースを見るたびに「自分の情報も漏れているのでは」と不安になるかもしれません。でも、個人がやるべきことは意外とシンプルです。この記事では、漏れたかどうかを確かめる方法、漏れていたときに情報の種類ごとにやること、これからのための対策を、順番に整理します。
※この記事の情報は 2026年10月22日時点 のものです。
先に結論:状況別にやること
| 状況 | やること |
|---|---|
| ニュースを見て不安になった | 使っているサービスの公式発表を確認する。通知がなければ普段どおりでOK |
| 漏えいの通知が届いた | 通知のリンクは開かず、公式サイトや公式アプリから内容を確かめる。漏れた情報の種類に合わせて対処する |
| パスワードが漏れた | そのサービスと、同じパスワードを使っているほかのサービスすべてで変更する |
| クレジットカード番号が漏れた | カード会社に連絡し、明細を確認する。必要なら再発行する |
| 特に何も起きていない | パスワードの使い回しをやめ、2段階認証を設定しておく |
漏れたかどうかは、まず「通知」でわかる
最初に知っておいてほしいのは、自分の情報が漏れたかどうかは、多くの場合、企業からの通知でわかるということです。
個人情報保護法では、一定の漏えいが起きた場合、企業は個人情報保護委員会に報告し、本人にも知らせることが義務づけられています。対象になるのは、たとえば次のようなケースです。
- クレジットカード番号など、財産的な被害につながるおそれのある情報が漏れた
- 不正アクセスなど、不正な目的で漏れたおそれがある
- 漏れた人数が1,000人を超える
- 病歴など、特に配慮が必要な情報が漏れた
「漏れた」と確定した場合だけでなく、「漏れたおそれがある」段階でも対象になります。最近の大規模な漏えいは、ほとんどがこのどれかに当てはまるため、対象になった利用者には、メールや郵送、アプリのお知らせなどで連絡が届くのが基本です。連絡先が分からないなど本人に知らせるのが難しい場合は、企業の公式サイトでの公表などで代えることも認められています。通知が来ないからといって安心しきらず、使っているサービスの発表にも目を通しておきましょう。
ただし、ここで一つ注意があります。漏えいのニュースが出ると、その企業を名乗る偽のメールやSMSが出回ります。通知が届いたら、メールやSMSのリンクからではなく、自分でブックマークした公式サイトや公式アプリから内容を確かめてください。
自分の情報が漏れていないか確認する方法
通知を待つだけでは不安、という人のために、自分で確かめる方法を紹介します。
使っているサービスの公式発表を見る
いちばん確実なのは、漏えいを発表した企業の公式サイトを見ることです。漏れた情報の項目、対象になる期間や会員の範囲、問い合わせ窓口が書かれています。会員ページにログインすると、自分が対象かどうかを確認できるようにしている企業もあります。
ニュース記事やSNSの投稿は、件数や項目が不正確なことがあります。最終的には、必ず企業の発表で確認しましょう。
Googleの「パスワード チェックアップ」で調べる
GmailなどGoogleアカウントを使っている人は、「Google パスワード マネージャー」に保存しているパスワードが、過去の漏えいで出回っていないかを確認できます。パスワード マネージャーの画面から「パスワード チェックアップ」を開くと、漏えいしたパスワードや、使い回しているパスワード、推測されやすいパスワードを教えてくれます。
なお、Googleには以前「ダークウェブ レポート」という機能がありましたが、2026年1月15日に新しい漏えいの監視を終え、2月16日でツールとデータが削除されました。ネットには、今もこの機能での確認を勧める古い記事が残っています。今から調べるなら、パスワード チェックアップを使ってください。
iPhoneの「パスワード」アプリで調べる
iPhoneを使っている人は、標準の「パスワード」アプリ(iOS 18以降)で確認できます。アプリを開いて「セキュリティ」の項目を見ると、漏えいした可能性のあるパスワードや、使い回しているパスワードが表示されます。iOS 17以前の場合は、「設定」アプリの「パスワード」にある「セキュリティに関する勧告」で確認できます。
メールアドレスで調べる(Have I Been Pwned)
「Have I Been Pwned」は、世界中で公開された漏えいデータをもとに、自分のメールアドレスが含まれているかを調べられる海外のサイトです。メールアドレスを入れるだけで、どのサービスの漏えいに含まれていたかが表示されます。
ただし、このサイトに載るのは、データが出回って確認されたものだけです。日本国内の漏えいが載っていないことも多いので、「何も出てこなかった=漏れていない」とは言い切れません。あくまで、ほかの確認方法とあわせて使う補助と考えてください。
「確認サイト」をうたう怪しいサイトに注意
検索すると、「あなたの情報が漏れていないか無料でチェック」とうたうサイトがたくさん出てきます。なかには、パスワードやクレジットカード番号の入力を求めるものもあります。
まともな確認サービスで、パスワードそのものやカード番号を入力させることはまずありません。入力を求められたら、そのサイトは使わないでください。
漏れたときにやること:情報の種類別
漏えいの通知が届いたら、何が漏れたのかを確認し、その種類に合わせて対処します。
| 漏れた情報 | 起きるおそれのあること | やること |
|---|---|---|
| パスワード | 不正ログイン。同じパスワードを使う別のサービスにも入られる | そのサービスと、同じパスワードを使っているほかのサービスすべてで変更。2段階認証を設定 |
| メールアドレス・電話番号 | 迷惑メールや詐欺のSMS・電話が増える | リンクを開かない、知らない番号からの電話に個人情報を話さない |
| 氏名・住所・生年月日 | 企業や役所を名乗る詐欺に使われる | 変えられない情報なので、詐欺への警戒を強める |
| クレジットカード番号 | 不正利用 | カード会社に連絡。明細に見覚えのない請求がないか確認し、必要なら再発行 |
| 運転免許証などの本人確認書類の画像 | なりすましでの口座開設や契約 | 身に覚えのない契約や郵便物がないか注意し、不審な点があれば警察や関係機関に相談 |
| 銀行口座の情報 | 不正な引き出しや詐欺 | 銀行に連絡し、取引履歴を確認 |
パスワードが漏れたら
いちばん急ぐのがパスワードです。漏れたサービスのパスワードを変えるのはもちろん、同じパスワードを使っているほかのサービスも、すべて変えてください。攻撃者は、漏れたメールアドレスとパスワードの組み合わせを、別のサービスでも試してくるからです。
あわせて、2段階認証(多要素認証)を設定しておくと、パスワードが知られてもログインされにくくなります。
メールアドレス・電話番号が漏れたら
メールアドレスや電話番号は、変えるとかなり手間がかかります。漏れたからといって、すぐに変える必要はありません。そのかわり、届くメールやSMS、電話に注意してください。漏れた情報を使って、漏えい元の企業になりすまし、「お詫び」や「本人確認」を口実にさらに情報を聞き出そうとする手口があります。
クレジットカード番号が漏れたら
カードの裏面に書かれている電話番号から、カード会社に連絡します。漏えいが原因の場合、カード会社の判断で番号を変えた再発行に応じてもらえることが多いです。手数料の扱いはカード会社によって違うので、連絡のときに確認しましょう。
再発行するまでのあいだは、利用明細をこまめに確認してください。少額の不正利用から始まることもあります。なお、カード会社が不正利用のおそれを察知して、先に連絡や再発行の案内をしてくることもあります。その連絡も、カード裏面の番号にかけ直して本物か確かめましょう。
本人確認書類の画像が漏れたら
運転免許証などの画像は、別のサービスでのなりすましに使われるおそれがあります。金融庁は10月、金融機関に対して、本人確認書類の画像に不自然な点がないかの確認を徹底するよう求めました。あわせて、2027年4月1日から原則として廃止される「画像を送る方式」の本人確認について、ICチップを読み取る方式への切り替えを施行日を待たずに進めるよう要請しています。
利用者としては、身に覚えのない口座開設の案内や契約の郵便物が届いていないかに注意してください。不審なことがあれば、そのサービスの窓口か、警察の相談窓口に相談します。
漏えいに便乗した詐欺に気をつける
漏えいで本当に怖いのは、漏れた情報を使ったなりすましや不正送金、詐欺といった二次被害です。デジタル大臣も10月の記者会見でこの点を指摘し、警察庁も、漏えいした企業を名乗る偽のメールに注意するよう呼びかけています。
よくある手口は、次のようなものです。
- 「情報漏えいのお詫びとして補償金をお支払いします。こちらから口座を登録してください」
- 「あなたのアカウントが不正利用されています。こちらから本人確認をしてください」
- 漏えい元の企業やカード会社を名乗り、電話で暗証番号や認証コードを聞き出す
見分け方の基本は一つです。メールやSMSのリンク、相手からかかってきた電話番号は使わず、自分で調べた公式サイトや公式アプリ、カード裏面の番号から確認します。本物の企業が、電話やメールで暗証番号や認証コードを聞いてくることは、まずありません。
困ったときは、警察相談専用電話「#9110」や、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に相談できます。
補償やお詫びはもらえる?
漏えいを起こした企業が、お詫びとして金券やポイントを配ることがあります。ただし、配るかどうかも内容も企業しだいで、法律で決まっているものではありません。
補償の話が出たときに気をつけたいのは、それを口実にした詐欺です。補償の案内も、必ず企業の公式サイトの発表で確かめてください。
これからのための対策:今日からできる3つのこと
10月の国の注意喚起では、個人に向けて次の3つが繰り返し呼びかけられました。
- パスワードの使い回しをやめる。 サービスごとに別のパスワードにします。全部覚えるのは無理なので、GoogleやiPhoneの標準のパスワード管理機能に任せるのが現実的です
- 2段階認証(多要素認証)を使う。 設定できるサービスでは有効にします。パスキーが使えるサービスなら、パスキーにするとさらに安全です
- 不審なメールやSMSのリンクを開かない。 公式サイトや公式アプリから確認する習慣をつけます
この3つをやっておけば、どこかのサービスで情報が漏れたとしても、被害が広がるのをかなり防げます。
よくある質問
スマホから情報が漏れているのでしょうか?
最近相次いでいる漏えいは、企業やその委託先のシステムが不正アクセスを受けて起きたものです。あなたのスマホの設定や使い方が原因ではありません。
ただ、スマホそのものを守ることも大切です。OSやアプリは最新にしておき、公式のストア以外からアプリを入れないようにしましょう。
情報漏えいは、なぜ発覚するのですか?
企業が自社のシステムで不審なアクセスを見つけたり、外部のセキュリティ会社や捜査機関から指摘を受けたりして発覚することが多いです。漏れたデータがネット上で売られているのを見つけて、初めてわかることもあります。
電話番号やメールアドレスは変えるべきですか?
基本的には変えなくて大丈夫です。迷惑メールや詐欺の連絡が目に見えて増え、生活に支障が出るようなら、そのとき変更を検討してください。
漏えいした企業のサービスは、使うのをやめるべきですか?
それはあなたの判断です。続けて使う場合は、パスワードを変え、2段階認証を設定してから使いましょう。やめる場合は、退会の手続きをして、登録した情報が消去されるかを確認しておくと安心です。
まとめ:漏れる前提で、被害を広げない準備を
どれだけ気をつけていても、自分が使っているサービスから情報が漏れるのを、個人の力で完全に防ぐことはできません。大事なのは、漏れたときに被害を広げないことです。
- 漏れたかどうかは、企業からの通知と公式発表で確認する
- 通知が来たら、リンクは開かずに公式サイトから確認し、漏れた情報の種類に合わせて対処する
- パスワードの使い回しをやめ、2段階認証を設定しておく
PHPの脆弱性(php2shell)で多くのサービスが止まった件については、「PHPの脆弱性(php2shell)で何が起きた?」で詳しくまとめています。
参考情報
- 大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)(個人情報保護委員会)
- サイバー警察局便り R8 Vol.19「情報流出に注意」(警察庁)
- 古川大臣記者会見(令和8年10月6日)(デジタル庁)
- 現下の情勢を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化と各種取引申込等における対応について(金融庁)
- ダークウェブ レポートの更新について(Google 検索ヘルプ)